第十回「とわの契り」
いよいよ今回をいれてあと二回となりました。
「とわの契り」とは誰と誰との契り?・・と問うまでもありませんが、今回も波乱万丈です。

双葉社の居眠り磐音江戸双紙HPで佐伯泰英氏が

  私自身は、小説とテレビは別物だと割り切っています
とおっしゃってますね。

  私としては初めてドラマになることよりも、「好評なので続編も作ることになりました」ということになるほうがうれしいな

とも。続編あるといいですね。

磐音は吉原会所の四郎兵衛に、松の内七日の吉原乗り込みを狙う尾張のようき楼のことを聞きます。

同じ頃、中居からは参勤交代費用がないことを相談されます。
関前藩のために今津屋に借金を申し込む磐音。
由蔵から奈緒様のことではないのかと問われ

 「奈緒のことは私ごとにござる」
 「つまり藩のためなら頭を下げられる」
 「豊後関前藩の大勢のくらしがかかっております。そのものたちを路頭に迷わすわけには参らぬのです。」

強い決意に吉右衛門も由蔵もうなづきますが、おこんさんは席を立ってしまいます。

長屋のみんなが事情を知って泣いてくれましたね。
本当にこの長屋に住んでよかったと思います。

奈緒様の花魁としての名前は「白鶴」
これは豊後・関前城の別名でした。
ふるさとを離れ、捨ててしまいたい過去のなごりで呼ばれることになる奈緒様。
白い折鶴がせつないです。


根岸の寮で伊勢崎図書之助と一騎打ちとなります。
この役者さん(坂口拓)いい声ですね。
格闘家でもあり、時代殺陣・現代殺陣のどちらもこなす役者さんだそうです。
そのせいか殺陣は激しく両者の力が拮抗していることがよくわかりました。
雑木林での動きかっこいいです。

こんなに近くにいるのに会わずに去る磐音

おこんさんでなくても歯がゆく「どうして?」と問うばかりです。

根岸を発った奈緒の行列が吉原の大門にせまります。
白拍子の白鶴太夫はとても綺麗です。


白鶴を見つめるおこんさんは何を考えていたのでしょうか?
坂崎磐音が好きだから、[好きな人の苦しみを減らしてあげたい=奈緒様と結ばれて欲しい]となるのでしょうが、それも苦しいですよね。

白鶴を見つめる磐音は何を考えていたのでしょうか?
これほど近いのに遠いふたりの距離・・奈緒のためにすべてを捨てられない弱さ、なりふりかまわず求められない勇気のなさ・・
目だけでせつなさを表現していた山本耕史さんでした。



白鶴の道中の前に帰ったはずの尾張の連中が現れます。
すぐさま飛び出す磐音。
それと気づく奈緒様・・目と目をあわす二人・・・・そして顔をあげる奈緒様・・立ち去る磐音

泣きました・・・

泣けるから私はこの脚本が嫌いです。
全11話で納めることを前提とした話なので仕方ないと思います。
ここで仮に磐音と奈緒のことをひとくぎりつけないといけないこともわかります。

でもこの短さでは納得できません。
これでは坂崎磐音が奈緒をあきらめる気持ちの迷いや動きがあまりないような気がします。

 「すべて終わりました」

雪の舞い散る橋の上でのおこんと磐音
これでは奈緒様が可哀相です。もちろん磐音は「心で添い遂げる」と決めているのですが(お艶さんが少し言ってました)おこんさんのひとり勝ちにみえて後味悪いです。

磐音と奈緒が目を合わさないでいてほしかった・・・
奈緒様にはどこかで守ってくれている人がいると気づくだけでいてほしかった・・・今はまだ・・・

勝手な私の思いです。


お殿様とお代の方は雰囲気が出ていてよかったです。
これだけの場面で中村梅雀さんと烏丸せつこさんを出すなんてさすがNHK(笑)

  「二千五百両の質草、坂崎磐根様のお身体で申し受けます」

名せりふが出ました!

  「金がないとは哀しいものよのう」

とうるうるきつつもお方さまに説得されるお殿様。いい人です。
原作で由蔵がお殿様に言った

  「坂崎さまは、豊後関前という池におくより天に放って
   自在に活躍させたほうが藩のためにはよろしいでしょう」

も聞きたかったです(残念)


最終回は今津屋夫婦の話です。
お艶さまは予想以上にいい味で、これだけは原作を越えてよかったと思います。
坂崎磐音の人としての魅力が発揮されるお話になると期待しています。
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コメント 6

なつ  2007, 10. 08 (Mon) 15:14

きのこさん>
ご訪問ありがとうございました。
九回の感想で初見で感想を書いてしまいちょっと暴走したので(笑)今回は何度も巻き戻して見ました。

奈緒様のほうが先に顔を上げたこと
強いなあと思いました。
奈緒さまの決意を感じ取って磐音も背を向けたような気がしますから・・・(後姿せつなかったです)

「磐音」は女なら誰でも惚れてしまいます・・よねv
おこんさんや奈緒さまに自分を投影しつつ、実は「自分」のものなるかもという(爆)希望もあってほしいんです。

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きのこ  2007, 10. 07 (Sun) 22:37

なつさん、はじめてご訪問させて頂きました。山本磐音様への愛情溢れる文章にぐっと来ました。

>泣けるから私はこの脚本が嫌いです。
>これでは奈緒様が可哀相です。
脚本と原作、ずいぶん変えてありましたね。原作はもっと短いし、「別れ」のニュアンスもないし。

原作では「心で添い遂げる」ですが、ドラマでは確かに
>おこんさんのひとり勝ちにみえて
なるほど・・・・!!
今回は私は奈緒に入り込んでしまったため、かえって「別れて一人で顔を上げて生きていこう、磐音様、私の思いを断ち切ってくれてありがとう」みたいに感じてしまったのです。それが第一回視聴時の強烈な思いだったので、「磐音様は、おこんさんと幸せになってね・・・」と思えました。

でも、次の記事にあったように、「誰とも結ばれて欲しくない」も本音ですね!特に坂崎ならぬ山本磐音には・・・!それではまた。

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なつ  2007, 10. 05 (Fri) 14:38

AKIさん>
そうですね、今津屋さんとの信頼関係は、ドラマでは描ききれていない(笑)とうとつな気がしました。
特産物のこととか藩主の決意とか、あるいはもっと多くの事件に関わってきた磐音の行動とか含めて決めた用立てだと思うのです。

「会えばそれがし狂います」
というせりふが原作ではあったような・・・
奈緒様と顔を合わすのは千住大橋だけにしてほしかったです。

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Aki_1031  2007, 10. 05 (Fri) 14:23

なつさん、
>でもこの短さでは納得できません。
>これでは坂崎磐音が奈緒をあきらめる気持ちの迷いや動きがあまりないような気がします。
激しく同意です!!
尺の問題は「新選組!!」を見た時にもすんごーく感じたのですが、
仕方が無いこととはいえ、どうにも納得し難いですよねぇ。
今津屋さんの磐音くん担保も同じ。
奈緒ちゃん絡みではなく、関前藩絡みに頭を下げる磐音くんに
多少鼻白んだ感の今津屋さんだったのに、
いきなり磐音くん担保提案だなんて、
そこまで彼を信用している感じがしてなかったけどー?などと
画面に向かってツッコミ入れてしまいました(苦笑)。
ま、原作とテレビは別物。分かってはいるんですけどねぇ…。
続編放映に期待しましょう!

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なつ  2007, 10. 05 (Fri) 13:43

あさぎさん>

毎回殺陣にくふうがあって、それだけはすごいと思ってます。今回も雑木林を使っての斬り合いで気合が入ってました。

橋を歩いてきた磐音とおこんさんの場面はちょっと気になりました。寒い中ずっと待っていたおこんさんの気持ちもわかるんですが・・・

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あさぎ  2007, 10. 05 (Fri) 11:48

図書之助(坂口拓)さんとの殺陣は、見応えありましたね。(磐音が勝つのは、当たり前として)
他のブログを読んで知ったんですが、映画「SHINOBI」にも出ていた方だそうです。

磐音の「すべて終わりました」
ココで、少し笑みを浮かべましたよね(多分)
吹っ切れた感を示したんでしょうけれど、私も、奈緒が可哀相だと感じました。

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