「シュンスケ!」門井慶喜
2013/11/07(Thu)
シュンスケ!シュンスケ!
(2013/03/26)
門井 慶喜

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タイトルのシュンスケとは伊藤俊輔。のちの伊藤博文です。
伊藤博文の青春時代を描いた小説で、高杉晋作もしっかり登場します。
この本はとても読みやすい。
はじまりの「序」から引き込まれました。

「序」は伊藤博文がハルピンに行く少し前から始まります。

伊藤博文は明治天皇に「ハルピン」に向かうことを報告する

自分の執務室にいるとめずらしく山県有朋が訪ねてくる。
山県は「ハルピン」に向かう伊藤に【不穏分子がうろうろしている。気をつけろ】と忠告する

山県たちがすすめた韓国併合の閣議のために満州に行く伊藤であったが
山県の武人としての独特の嗅覚をないがしろにもできなかった。

帰り際に伊藤は山県の背中に言う

「・・・・達者で暮らせよ。狂介
「何が達者で暮らせじゃ。今生のわかれでもあるまいし」
「取り越し苦労じゃよ、狂介。わしはちゃんと日本にかえってくる。」
「また会うぞ。シュンスケ


明治四十二年(1909)十月ハルピン駅で伊藤は銃弾により命を落とします。
それを知りながら読むとせつない序章。でもタイトルとからめてうまいと思いました。

本編はシュンスケが利助だったころからはじまります。
利助は「わしは一国の宰相になりたい」と願うが百姓の子

しかし運と人に恵まれ卒席(士卒の下)になり、子どものころに才能を見い出してくれた来原良蔵の手付となる。そして良蔵の紹介で松下村塾へ。
松陰は「すでにそこに成立している人間関係へ単身入り込むのは、実に周旋むきの才能です。都会に出れば花が咲く」とし桂小五郎を紹介。

そこから井上聞多という友を得て、藩公も認めてイギリス留学生(長州ファイブ)になるのです。
(長州が馬関海峡を航行する外国船に発砲した新聞をみていそぎ帰国することになったが)

四か国艦隊との講和交渉のあとイギリス公使オールコックから「あなたは宰相の器がある」と賞賛されます。
「代表者をそっと助けて極力まちがいのない方向へみちびく人」を「宰相」と呼ぶと通訳アーネスト・サトーから聞かされ自分の生き方を再確認します。

この小説でもオナゴ好きなところは書かれてますし(笑)イギリス公邸焼き討ちも塙暗殺も書かれてます。
功山寺決起の高杉晋作をたすけ、桂小五郎が出石から戻ってくるところまでが書かれてます。
高杉の義挙として語られる功山寺決起もいち早く合流し、資金調達をしたシュンスケの力が大きいのでした。(聞多は反対派に斬られ療養中)
それでも「宰相」として生きることに迷いのなかったシュンスケ。
新政府では本当に「宰相=総理大臣」になりますね。

「初代総理大臣伊藤博文」という歴史上の有名人ではなく、維新に生きた若者シュンスケがそこにいます。

狂介のことも気になり山県の本も読んでみたくなりました。


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コメント
- おもしろく読みました。 -
何と言っても、吉田松陰を「狂人の相じゃ」と決めつけるすごい本です(^o^)/
でも、松陰門下で何人死んだかを考えると、そういう見方も無理もないかもしれない、と思ってしまいます(^o^;)>
もともと朱子学というのがそういう極端な性格のものなのかもしれませんが。
2014/01/07 21:32  | URL | narkejp #flFdlPW.[ 編集]
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