傾いた本棚

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本棚を見るとその人のことがわかるとか・・・

幕末志士を読む⑥~高杉晋作Ⅱ 

「龍馬伝」を観て、高杉晋作に興味を持った方も多いと思います。

そういう方への入門本としてこれはどうでしょう。

古川薫編(新人物往来社)

高杉晋作


古川薫編「高杉晋作」は1978年初版、のちに加筆訂正され2010年7月に再出版されたものです。

略伝や年譜、系譜なども載っており高杉のおおまかな姿をとらえるにはいい本だと思います。


私は「第6章文学に現れた高杉晋作」に興味を持ちました。
大正末期から昭和初期にかけて洪水のようにおこった歴史小説ブームにおいて、「高杉晋作」はとりあげられることはありませんでした。


遅れた理由は
1高杉晋作における詩人的資質が見抜かれていなかったこと
2晋作の背後に「長州」という「藩エゴイズム」が投影されたこと
だと書かれています。

伊藤博文や木戸・西郷・坂本らが人間的魅力というより「維新顕彰」「立志伝」の意図で多くの物語が書かれました。
それに対して高杉に関しては、【長州の内側でいかにその魅力を語り継がれようと外から見れば「おらが国さ」意識がの臭気がぷんぷんしている】ものと見られていたのです。

「連合との講和会談」も「回天義挙」も長州藩の内の話とらえられていた。
(長州藩がこの時点で幕府恭順であれば、桂小五郎の復帰もありえず、薩摩との同盟も難しかったはずだが)

晋作の活躍が「長州」が舞台であったため他者の視線(文学的関心)が深く入り込めなかったということらしい。



S9青年林房雄、S16尾崎史郎「高杉晋作」のあと晋作が取り上げられるのは昭和30年後半から。

S35   村上元三「高杉晋作」
1965年 大岡昇平「高杉晋作」
1971年 司馬遼太郎「世に棲む日々」
 ?年    池波正太郎「若き獅子」(短編)
?年    南條範夫「高杉晋作天翔ける若鷲」
1966年 山岡荘八「高杉晋作」
1967年 福田善之「あばれ奇兵隊」
1970年 早乙女貢「奇兵隊の叛乱」
1973年 古川薫「高杉晋作戦闘者の愛と死」

思いのほか書かれているなあという感じでした。
私はこの中で村上元三と山岡荘八版しか読んでません(苦笑)
この本は妻雅子の回想や晋作の残した詩などにもふれているので家にあるといいなあと・・
(私は図書館で借りました・笑)

今私が持っている高杉晋作の資料系の本はこれだけです。

一坂太郎(山と渓谷社)

高杉晋作を歩く―面白きこともなき世に面白く (歩く旅シリーズ歴史・文学)

発行年が少し前(改訂版2006年)になるので写真など古めにかんじることもありますが、晋作がいた場所

萩・江戸・京都・下関・山口湯田・福岡・長府・防府・大田絵堂・長崎・周防大島・小倉・吉田

を網羅した内容はさながら「晋作伝記行」です。読むと「行って見たい!」衝動にかられます。

一坂さんは元東行記念館の学芸員で晋作関係の著書も多い方です。
この本の副題が「面白きこともなき世」となってます。
「面白きなき世」と書かれている本が多いのですが、私は「世に」のほうが好きです。



一坂さんだから本来は「世に」なのかと思ったり・・・・
(一坂さんは「井上聞多」は「モンタ」ではなく「ブンタ」だとも言ってらしゃいます。)
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カテゴリ: 幕末関連

テーマ: 歴史・時代小説

ジャンル: 本・雑誌

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コメント

俳愚人さん

コメントありがとうございます

奇兵隊が維新後強制的に解散されたことは知っています。
結局は「使い捨て」であったと。

それは「新選組」が江戸より出されたのと似ています。

「上に立つのは特別な人間(サムライ)でなければ」という意識は開明派であっても
なかなかぬぐいとれるものでなかったのでしょうね。

一坂太郎さんの著書は奇兵隊の悲哀も書いているのでためになりました

2010.10.24 17:54
URL | なつ #- | edit

研学感心いたしました。

一坂太郎氏の論考要約を書きました。
「政治イデオロギーとしての奇兵隊」
http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20101013/1286931027
参考までに。

2010.10.22 11:33
URL | 俳愚人 #t50BOgd. | edit

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