東京公演も終わったいまさらの感想です。
どこかで区切りをつけておきたくてつらつら書きました。


役を振り返りながら思いつくまま語ります。


アッシュ・リンクス(柄谷吾史)

今回の公演ほど、自分がカラタニスト(カラタニファン)だったらよかったと思ったことはない。

全編出ずっぱり、走りぱっなしだった。
挨拶で『初演より劇場が広くなったので舞台の後ろを駆け回ってます。もっと給水ポイントをくれ・・』と言ってた。
ビデオカメラを回す吉谷さん(休憩時間を与えない演出家)に「バカっ」と叫んでた柄谷さん。
舞台の役になれば何も言わなくてもどんどんみんなを引っ張っていくエースなのに、挨拶など素にもどればボス(田中)や参謀(吉谷)に頼りっきりにみえる。
こういうところアッシュに重なる気がした。
17歳に見えるとまでは言わないが、そこにいたのはまぎれもなくアッシュ・リンクスで。
冒頭のダンスで最後に登場する姿のかっこいいこと!
なんであんなに腰が細いんだろう・・・

過去の夢におびえ英二にすがりつくシーン。
舞台のはしっこでやりすぎでは?せっかくのアッシュの弱音を吐いた顔も英二の表情も見えなかった。

ラストの階段で眠るシーン。暗転が早すぎて余韻を感じる間もなく終わったのが残念。
ここではずっとアッシュを見ていたい・・・スポットが少しずつ小さくなって消えるような演出が欲しかった。

大阪千秋楽ではまわりからすすり泣く声が聞こえた。
(私はこのラストが後味悪くてキライだったので、この場面がこなければよいと思ってた。)

初演ではラストでラオを撃つシーンで銃を忘れたことがあるらしい。(今回も稽古ではやった)
そのときは指でっぽうだったとか!!


奥村英二(宮下雄也)

公式HPの写真よりずっとぽっちゃりした人だった。

最初はどうなんだろう?と思った『英二』
彼には棒高跳びで挫折した過去とか、アッシュの裏の部分を知ってからの心の変化とか見えてこない。
原作を読んだときに感じた英二への妬み(なぜアッシュが彼をそこまで助けるのかという気持ち=月龍の気持ち)を彼には感じられなかった。
それは彼の演技の未熟さといえばそれまでなのだけれど。

でもすべての痛みを引き受けるアッシュに対して、真っ青な空のような彼の姿は確かに救いで。
この英二はアクサルの誰にもできないものだと思った。

初演が名演だったという。観られなかったことが残念な気もするし、これでよかった気もする。

最初に「あれから二年経ってしまった。どうして僕だったんだろう・・」とモノローグが入るがいらなかったのでは?
ラストへの伏線だとはわかるけれど。
もし入れるなら、「2年後」らしい服にしてほしい。せめてジャケットはおるとか。
あとで出てくるときと同じセーターでは時間の経過がわからない。
ダンスにも参加してないんでからこれくらいの時間はあったと思う。

挨拶では天然アイドルだった!(「柄谷さんからはいつも良い匂いがする」とアブナイ発言も)


ディノ・ゴルツィネ(酒井高陽)

貫禄。
アッシュに対する親のような愛情、恋人ような愛情・・すべてひっくるめての憎しみ。よく出ていたと思う。
マナーハイムに手術されそうになったのを助けに行くシーン。
何度観てもアッシュにキスするのではないかと思う。
ただディノの視線と言葉を受けるしかないアッシュの表情が最高にいい。
これは役者の格の違いさえも感じさせてくれる。

初演で田中照人さんがやったというけれど、くやしいけれど想像できない。
田中さんと柄谷さんではここまでせめぎあう感情を見ることはできない気がする。
それはどうしてもアクサルメンバーでの素の照人さんを重ねてしまうから。

スィートキャットのくだりはいるのか?



マックス・ロボ(田中照人)

一番意外な配役だったようだ。(挨拶で自分で言ってた)
初演で松木さんのやった役。正直こちらは松木さんを重ねて観てました。
スリムになってよく動いていた田中さんだったけれどやっぱり体力勝負のフリーライター(&兵隊)には見えなくて・・

ここはやっぱり刑事役で全体を包んでほしかったか。

出だしで、ケインが狂ったとき「俺だマックスロボだ」と声をかけるけどロボはペンネームでは?
この時点では本名かと。


伊部俊一(山本健次)

舞台の役と本人とのギャップを生かして輝く人と本人のイメージどおりで輝く人がいると思う。
山本さんは後者だと思う。(前者は加藤さん)
もちろん、どんな役でもこなすのが役者だけれど、これも『個性』だろう。

ピスメの鉄之助の兄、WAの葛西刑事・・・山本さんにはどこまでも報われないけど尽くすイメージがある。

この伊部もまた英二に弟に対するような感情(もしかしたらそれ以上の愛情)を秘めて見守っている。
「俺は英二にもう一度飛ばしてやりたいんだ」と話すところがよかった。
本人も「俺、伊部やなあ」と思ったとか。

ナースが惚れるのも無理はない(爆笑)



ショーター・ウオン&ラオ(古川貴生)

器用な人だ。
この役のために髪を切り、電動かみそりで剃ってスキンヘッドに。
今春から活動拠点を東京に移すとパンフレットにあって、ちょっとドキドキしている。

バナナフイッシュという薬のために狂ってしまう難しい役
英二を殺そうとする彼をアッシュに撃たれるシーンで最期にほんのり笑みを浮かべている。

WAでの久保田と小宮を彷彿させた。
今回はおふざけは他の人に譲って(笑)役のみに専念したようだ。
ラオは弟シンへの愛があふれていて痛々しいほどだ。
古川さんは1部と2部で両方死んでいる!同じ人に撃たれて。(2部は撃たれたシーンのみ)



フレデリック・オーサー(加藤巨樹)

「無駄に男前なオーサー」とはどこで読んだ感想だったか・・
ディノがなぜ彼に魅かれないのかと思うキリリとした姿だった。
この舞台の加藤さんは全編押さえた演技に見えた。前回と同じ役をやるのは柄谷アッシュと同じ。
今回は違うスタンスで臨んだらしい。
アッシュになりたくてなれない・・そんな可哀相なオーサー。彼もまた孤独で。
ディノに軽く扱われても、卑怯な手を使ってもアッシュを越えたい。
そういう姿が痛々しい。最期に床にころがるオーサーの姿が上段のアッシュと対照的でよかった。

アッシュとの格闘シーン、ナイフの持ち方がアッシュとは違っていた。
この場面だけを長く見ていたいと思った。加藤さんは黒の役のほうが似合う。
2部ではいろいろなところで死んでた(苦笑)

手の指の傷は気づかなかった。というかずっと手袋はめてなかった?


ケイン・ブラッド(武原広幸)

ケインよりもアッシュの兄役がメインかも。
背が高くてこういう役が似合う。子どもアスランを包み込む優しさは「RAIN」のパパのよう。
階段横を入るとき頭を少しかしげていくのがよかった。
せりふのほとんどない役がいいなんてすこし失礼か(苦笑)
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