蛍火ノ宿/居眠り磐音江戸双紙 16
2007/06/06(Wed)
前巻でおこんと磐音は将来誓う仲となりました。
しかし、磐音の中の「小林奈緒」はどうなったのかと思いませんでしたか?

この巻では、奈緒様こと白鶴太夫に落籍話が出ます。

絵師北尾重政がその独特の情報網から、奥州の紅花商人前田屋蔵之助が
「言値で身請けしたい」と知らせてくるのです。
北尾は言います

  「もはや白鶴太夫がどなたと一緒になられてもよいのですね」

と。それに対し、「それがしは陰から見守ると決めた者です」と答える磐音。


落籍を邪魔するものがいると聞かされ磐音は、吉原に向かいます

  「おこんさん、それがしを信じられよ」

との言葉を残して。

柳次郎にも、会所四郎兵衛にも、花魁高尾太夫にも
「元許嫁が別の人のところに嫁に行くを許してよいのか」
と問われ、そのたび「守りたい」と答える磐音です。


磐音は、花魁道中の白鶴の横顔に「小林奈緒」を見つけることができませんでした。
江戸勤番に旅立つ前の幼さの残る奈緒しか覚えていない磐音。
国許に戻ったときに会っていないことが悔やまれます。明日は祝言の予定だったのですから仕方ないですが・・・・

奈緒様はずっと磐音の幻を抱いて生きてきたのかもしれません。

北尾の見せた前田屋の顔が自分の要望に似ていたときは
磐音の心はぐらぐら揺れます。
それでも前田屋の資産や外面でなく心を好いて嫁に行くのだと知ります。
吉原での最後の夜に襖越しに話す、磐音と奈緒・・・

お互いの痛みがわかりすぎる二人の苦しい言葉に泣けます。


太夫付きの禿、箱提灯持ちを殺した犯人は、旅立つ奈緒と前田屋を襲います。
ご朱印地千住大橋の短くも長い道行・・・奈緒に戻ったその手を引いて渡るのは前田屋に扮した磐音でした。
過去から未来へと渡る橋のようでした。

奈緒様はおこんさんのことを知っていました。
知らせたのは絵師北尾重政ではないかと思いました。
白鶴太夫の素顔を素描できた北尾です。浮世絵を依頼され店にあがることも多いでしょう。

北尾は、磐音が吉原に詰めているときにおこんさんにも会っています。

磐音を待ち、長屋の位牌に線香をあげるおこんさん。
願っていたのはもちろん磐音の無事と奈緒様の幸せでしょう。

前巻と合わせて初めて坂崎磐音の選択を応援する気持ちになった気がします。




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コメント
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ダリアさん>
吉原の廓の下働きをして、磐音はそこの実態を知りましたね。
奈緒様も決して美しいままでいられたわけじゃないということも。
だからこそ奈緒様を選んで欲しかったという読者もいると思います。柳次郎たちはそこを代弁してくれたのかなあと・・・
今津屋さんだって最初はお金を出してあげると言ってましたね。
2007/06/07 14:23  | URL | なつ #-[ 編集]
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「磐音さま、おこんさまとお幸せに。」
でしたっけ。

奈緒さまはおこんさんの存在を知ってましたねー。
別に吉原に生きる奈緒さまの時間が止まっていた訳じゃないんだから、当たり前なのですが、磐音が江戸で仲間達と過ごして来た波乱はあれども幸せな時間と同じだけ奈緒さまの時も流れていたんですよね。
色々悲しんだり悩んだり諦めたりして来たんだろうと改めて可哀想に思わせるセリフでした。

それにしても磐音は数々の人に奈緒さまの事を問いつめられてましたよね。
「このままでいいのか〜」って。
柳次郎、会所四郎兵衛、花魁高尾太夫だけでなく、痩せ軍鶏にも家基さまにも、意外なのは竹村の旦那まで目に涙を溜めて、、、、

2007/06/06 21:08  | URL | ダリア #-[ 編集]
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