兎町十三番地 「家族前奏曲」
2008/09/09(Tue)
伊丹AIホールで行われた兎町十三番地さんの芝居を観に行きました。
このホールも、劇団さんも初めてです。
オープンリハーサルというのがありまして、これは初演の前々日の通し稽古をお客さんに見せると言うもの。
30人のお客さんが、まだ未完成?の作品を見て感想を書くのです。
こういうのは初めてです。
脚本演出のさんが「意見をとり入れて直せるところは直します」とか言うので、お客さんたちは皆さん緊張してたみたいです。
私もなにが起こるのかわからないのもあって緊張しました。
(本公演も観ました)

知らない劇団のお芝居を見るきっかけは、知っている役者さんがでているから・・というのがほとんどです。
演劇ユニットAxle(アクサル)が好きなので、そこの役者さんが客演しているとつい見てしまいます。
(今回も田渕法明さんが出ています。)

この春、アクサルの人が出ていない芝居を3本(売込隊ビーム・スクエア・そとばこまち)観ましたが、やっぱりどこか寂しくて楽しめませんでした。


お話は北陸の地方都市に住む主婦シオリと家族の物語です。

父が亡くなり、フランスで結婚した娘が夫と子どもを連れて帰ってきた
家には引きこもりの夫と、派遣バイトの息子、その友人
夫の弟、夫の母、そして父の愛人たちが集まる
夫はネットゲームに夢中で20年会話がない
寂しさをまぎらわせるためにのめりこんだアイドルユニット「パルファム」


兎町十三番地さんは今まで見たどの劇団とも違いました。
それはまず歌を歌うところ。でもミュージカルではなく、心情を歌詞に託してある意味BGMにように流れます。
歌とダンス(あるいは多人数での動き)が一体になって劇間に挿入されていました。
歌はオリジナルだとか。
アイドルユニット「パルファム」の歌った「チタニウム・コネクト」が今も頭から離れません。




あとは「案内人」ともいえる「ウサギ」の役割
これは過去に観てきた方ならもうお約束の世界なのでしょうか。
劇がウサギの耳をつけた人(作・演出中川昌紀)が挨拶をして始まりました。
劇中にはピンクのうさぴょん(着ぐるみ)も出てくるし・・・

シオリ役の新良エツ子さんは歌がとてもうまかったです。
「回転裁判」で観た方とは別人・・・??と思うほどお母さん役が合ってました。
おそらくいくつも年が違わないだろう娘や息子役の方と本当に親子みたいにみえました。

引きこもり夫役の吉田憲章さんはアイドルユニットとしても出ておられた(二役)のですが、最初同じ人とはわかりませんでした。もうひとりのメンバー(福地教光・息子と二役)とともにくっきり割れた腹筋をみせて踊っていました。かっこよかったです。
長身の二人を従えて中央で踊った田渕くん。もともとアイドル顔なので可愛くて似合ってました。
シオリが夢見る王子様らしかったです。


シオリは娘には厳しく、息子には優しい
それは娘が自分と同じ女なのに自由だったり誰かと愛し合ったりすることが許せないから。
息子は応えてくれない夫のかわり・・・・
夫の母(子どもらの祖母)はやはり姉のほうは嫁と同じだと嫌い、息子と似ている弟ばかりを可愛がっている。

息子の友人はネットカフェの住人で、じつは危ない人でした。
自分を嘆き、社会を恨み「だれでもいいから殺したい」という近頃現れた「狂った男」のひとり。
お金も家もある友人をうらやみ、庭に火を放ちナイフを取り出します。
演じていた前田有佑さん・・・鬼気迫る演技恐かったです。
舞台から降りてきたらどうしようと思いました。

結局、この男の騒ぎをきっかけにシオリは家を出ることにします。
母を守るために家に残っていた息子も愛する人をみつけ家を離れることを決め、娘はフランスに戻ります。


主人の弟で弁護士の次郎は、遺産相続や離婚相談、息子の就職まで面倒をみる一番頼れる人でした。
でも自分の母が急性認知性になってもあまり面倒をみるという感じではなかったです。
この人も母からはあまり愛されなかったのかなと思いました。
きっとお兄さん(引きこもり中の夫)ばかり目をかけていたんだろうと。

認知性の祖母が「いまから学校に行かないと」というせりふがあります。
彼女の頭の中ではきっと息子がまだ子どもで参観に行くつもりなのだろうと思いました。
でもなぜここで狂わせなくてはいけなかったはわかりません。


舞台の後ろに白いテープ(布)が何本か垂れ下がっていました。
それがどんぐりの木を現しているとあとで気づきました。
友人の男に燃やされると無くなっていました。

シオリは家を出るときドア越しに「貴方が好き」と言います。
そのとき夫は立ち上がるのですが、呼び止めはしませんでした。
ラストに「カゾクゼンソウキョク」という曲を皆で歌い、「記念写真」を撮るというシーンがありました。
ここには夫も入っていて、誰もいなくなった家という子宮からやっと生まれたのだろうかとほっとしました。

ここで終わりと思ったら、最後はシオリが狂った義母に寄り添い立ち去りました。

拍手がすごくしにくいラストでした。
そのまま会場の照明がついてしまい、役者さんたちの揃った姿をみることなく出ました。
ちょっと残念でした。


※伊丹はやっぱり遠かった・・・乗り換えに悩みました(苦笑)





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