夏燕ノ道/居眠り磐音江戸双紙 14
2007/06/03(Sun)
この巻は将軍家治の日光社参とその嫡子大納言家基の極秘旅が中心です。
磐音は、勘定奉行太田家内用人として役人と商人の仲をとりもちながら、
家基の護衛も務めます。

時代小説は実際の歴史を踏まえながら書かれています。
架空の人物を実在の人と絡めて描くことで話もおもしろくなりますし
歴史的興味もわくというものです。

たとえば「本能寺の変をおこした黒幕がいる」という話もおもしろいでしょう。
映画「大帝の剣(夢枕獏原作」には、豊臣秀頼の遺児が出てきます。
三種の宝物が揃えば天下が動かせると話です。

でも「実在」であるがゆえに動かせないこともあります。
いくら豊臣の子孫が素晴らしくとも、徳川家が300年続いたことは変えられないからです。

坂崎磐音は剣の道に生き、剣で人を救い守りますが、やがて「剣」が役に立たなくなる時代がくることも私は知っています。

まあそこまで深く考えずとも今この小説を楽しめばよいのですね。

このシリーズがどこで終わるかわかりませんが、気持ちよく最後を迎えてほしいなあと勝手に思ってます。誰かに「ヤヤ子ができた」とか希望があるような・・
さて、今回素敵だったのは家治・家基親子の愛情ですか。
どちらも聡明で信義に厚い方です。

将軍家治は、磐音の働きに対して関前藩主を呼び礼を言ってます。
  
  「実高、惜しい家来を外にだしたものよ」

との将軍のお言葉に慟哭する実高様も良い藩主です。



大納言家基は15歳くらいでしょうか
すごく気持ちいい少年です。村や農家の食事に興味津々で何を食べても

  「つねづねこのような贅沢しているのか」
  
と感動してます。
磐音も家基の繊細な心遣いに自分に起こったことを素直に話します。

  「会いとうないか」
  「会いとうございます。ですが、会えばそれがしは狂います」

と奈緒様への気持ちを打ちあけてます。

  「独り身で生涯を貫くべきかどうか、時に心を迷わせております」

とおこんさんへの思いまでも話します。
ここでの家基の言葉はとても素晴らしいです。さすが次期将軍です。
磐音も反省し、家基に同道できたことを感謝しています。

家基暗殺を企てる刺客雑賀衆を受けてたつ磐音と佐々木玲圓の師弟がかっこいいです。

将軍親子が無事城中に戻ってほっとしたのは読んでいた人たちも
同じだと思います。


「夏燕(なつつばめ)ノ道」は日光社参の途中で鷹匠がとばした隼が舞う
燕の飛び交う空の下です。

夏燕ノ道―居眠り磐音江戸双紙 夏燕ノ道―居眠り磐音江戸双紙
佐伯 泰英 (2005/09)
双葉社

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