このシリーズの大きな気がかり・・それは坂崎磐音と奈緒様(白鶴太夫)の行く末です。
前巻で今津屋おこんさん、鳥取藩重臣の息女桜子姫も加わって
磐音の気持ちは揺れ始めているようでした。

金兵衛さんは娘が、「お武家さん」である磐音に思いを寄せているとは
露とも考えていません。酒問屋伏見屋の跡取との見合いを考えています。
湯屋で聞かされた磐音は「致し方ないことだ」と考えます。


おまけにその湯屋から戻ると長屋に桜子姫が待っていて
桂川さんからの誘いを受けてよいのかと問われます。
   「坂崎様、桜子が桂川国瑞様とお付き合いしてよろしいのですね」
   「桜子様と桂川さんならばお似合いでございます。」

   「奈緒様はお幸せなお方でございます」

泣き言を言わずに去った桜子姫・・けなげで、芯の強い人です。
このシリーズ、おこんさん、おそめちゃん、幾世さま、そして奈緒様と
芯の強い女性が多いです。
今津屋の後添えに決まったお佐紀さまもなかなか度胸がありそうですし
この時代たくましいのは女性のほうかもしれません。

桜子と訣別、おこんの見合いと言葉とは裏腹に心騒ぐ磐音。
そんな磐音に剣の師匠佐々木玲圓は激しい稽古をつけます。

   「磐音、己の心の赴くままに生きることも時に必要じゃぞ。」

と説く佐々木玲圓。老分由蔵も同じことを言ってましたね。
己の感情を粗末にしている・・・納得です。

このあたりで磐音はまぼろしのような「許嫁奈緒」の姿より
目の前の「おこん」の姿を望むようになってしまったのでしょうか。


   「私を嫁に行かせたいとおもったのね」
   
とのおこんさんの問いに「違う」と即答してます。抱き寄せてもいます。

オクテの磐音ではない別人のようです(笑)

江戸に出てきた父正睦にもおこんを引き合わせています。

  奈緒と同じようにいや、それ以上に守っていく存在かもしれない

と思う磐音・・じゃあ奈緒様は?

このあたりの決着を作者がどうつけていくのか気になります。
実は私はおこんさん贔屓で、磐音のどっちつかずの態度にいらいらしてました。

でも読み返して見ると「奈緒様はきっと磐音を待っている」と思いましたし、
ならばおこんさんに傾いてはダメだろうと感じたり・・・・
このあたり、奈緒様派とおこん派に分かれるところですね。

「桂川家の四代は英才」と評判の国瑞は、桜子姫とおつきあいすることになりました。磐音がきっぱり断ったからですが、謙虚にお礼を言ってます。
こちらも女性のほうが強いみたいです(笑)

日光社参に向かうのは次の巻ですが、阿蘭陀商館長フェイトとツュンペリーを接待するおこんさんとおそめちゃん。
異人に「神秘的な美しさ」「日本で会った最高の美形」と言われても、
堂々と対応するおこんさんはさすがです。

秘密を守れる人たちということで淳庵、国瑞以外に、おこん、おそめ、品川柳次郎、船宿川清の小吉を選んだ磐音。人脈が生きてます。

旧主実高、父正睦と会う関前藩下屋敷の庭・・それがこの巻「残花の庭」のようです。


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佐伯 泰英 (2005/06)
双葉社

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コメント 3

narkejp  2008, 12. 28 (Sun) 19:50

奈緒(白鶴太夫)の魅力とは?

どうもよくわかりません。作者も磐音くんも言っているから、きっとステキな女性なのでしょうが、どうも今まで読んできた本文中では、ほとんど具体的な記述がないような気がします。許嫁だったというのはわかりますが。ようやく第13巻まで来ました。トラックバックいたします。

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なつ  2007, 06. 06 (Wed) 20:29

はじめましてvお越しいただきありがとうございます。

白鶴太夫が落籍されると聞く前におこんさんに決めてしまいましたね。
決めていたから送り出せたのかとも思ったり・・・

私も「唐変木~」と何度も叫びましたよ(笑)今は磐音からどんどん手を握るは抱き寄せるは・・・大胆磐音になってます(汗)

これからもお付き合いよろしくお願いします(ぺこ)

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ダリア  2007, 06. 06 (Wed) 00:22

はじめまして。
ちょくちょく楽しく読ませていただいております。
私もこのシリーズにハマっている者でございます。

「荒海の津」まで読了しておりますが、最近はおこんさんと磐音の中も落ち着いて来て,ドキドキ感が薄れて来ているものの、まだまだ先々が気になりますね。

実は私も判りずらかったんです。
磐音はいつ「おこんさんに決めたのか?」
(変な言い方ですが、、、)
決心した様な明確なシーンって無かったですしね。

それまでは私も奈緒さまとおこんさんの間で揺れる磐音を「唐変木〜」と心で罵っておりました。
ちなみに私もおこんさん派です。

お父上に引き合わせてからは、もう二人の中はトントン拍子。
最近は「速水さまの養女になる前にやや子が出来たらどうするんだ〜」みたい(^^;)

なつさんの感想文、また楽しみに読ませていただきますね。

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