劇団アクサル「WILD・ADAPTER」大阪公演
2008/03/10(Mon)
8日、9日と劇団アクサル「WILD・ADAPTER(ワイルドアダプター)を見てきました。
私的感想ですので、東京公演をご覧になる方、興味のない方はスルーしてください。
以下辛口感想を含む総括です。(文体変わります)




昨年の公演「PEACE・MAKER」は七月。
待ちに待った本公演だった。

でも初回の感想は

 これが私の待っていたものだったのか・・・

ということ。
なんかとまどいというか驚きというか・・怒りすら感じた。

昨年秋、「CONECT」という選考に参加してそこで言われた講評がそんなに堪えたのだろうか。

曰く・・アクサルが女性の好む漫画原作を舞台化して多くの女性に人気があり集客もできるんだから
こんなコンペに参加しなくていいじゃないか。と
極端に言えば、アクサルを見に来るのは「芝居」をよく知らない、かっこいい姿だけ見れたらいい客ばかり、やるほうもそのレベルに合わせてやっているのだろうと。

参加理由は、「どんなことにでも機会があれば挑戦したいということ」だった吉谷さん。
今回の舞台はその挑戦だったのか?
アクサルはこんなことをできる実力があるんだと言いたかったのか?

ファンがアクサルの評価を落としているとしても
望まれているなら、胸はってそれに応えることもありだったんじゃないのか?

この公演は「アート」だった。
黒と白を基調にしたデザインの衣装、顔の文様のようなメイク
全員が舞台上に出ずっぱりで進む話にずっと息をつめていた
初回は二階席だったこともあって私は相当めいっていたと思う。

柔軟な心で受け止めるのがファンじゃないのかと
結局「浮かれたファン」でしかなかったのかと自分に問うてみた・・・・
なんか納得できないまま席を立つ


土曜日の公演でよかったことは物販で梅林さんから商品を買えたことだけだった。
お部屋賃貸ア○マンショップがスポンサーのショートフイルムに出演した梅林さんは
「インビジ」の鬼塚くんがオトナになったようなかっこよさだった。
「テレビ見ました」といえばすこしはにかんでくれて・・
今回アンコールで礼をする姿しか見られなかった寂しさを埋めてくれた気がした。


ひと晩あけての公演二日目・・・
少しは落ち着いていたと思う。
1階の前のほうの席になったこと、筋も演出もわかっているせいか。

少しずつ違う衣装のデザインもよくわかった。
ひらひら舞い落ちる天使の赤い羽根(赤い羽根募金でもらうもの)も綺麗だった。

柄谷悟史(久保田)以外は二役以上をこなす。
舞台変換も衣装替えもないままいくつものエピソードが繋がっていく。
上手下手へ動く動く・・・動きひとつひとつが意味のあることで。
このあたりの巧みさはさすが吉谷さん。


★柄谷吾史(久保田誠人)さんはやはりアクサルのエース。
「その猫ウチの子なんで返してもらえます?」と乗り込むシーンはかっこよかった。
立て膝したときに衣装の白い側が妙に鮮やかで、久保田の良心のような気がした。
思ったより声が高くて、もうすこしドスがきいたほうがよかったかも。
久保田の洒落た受け答えがなんだか似合わない気がした。
ひとり楽屋が寂しいと感じる柄谷さんは、久保田のしみついた孤独を演じるには優しすぎる。

★大河元気(時任ミノル(仮)・)
メイク・衣装が同じような分、今回は「声」で演じている部分があったと思う。
大河くんは時任にぴったりの声だった。記憶をなくした不安にかられる表情も、こどもに笑いかける笑顔も似合ってた。
正直初回のときは彼でなくてもアクサルでできる人はいるだろうと思った。
今回の公演の動員が「大河元気ファン」に支えられたことは確かで、多少のやっかみもある。

★古川貴生(小宮信夫・長谷部)
身のこなしも、声も綺麗な人だ。刑事とチンピラを演じわけていたと思う。
吉谷さんはどうしても古川さんに女性をやらせたいらしい(笑)
まあこちらはもちろん似合ってた。久保田と踊るところなど「私の一人勝ちネv」って感じだった。
小宮の最期は熱演だった。
最初に倒れた場面では目を開けたままだったのがすごかった。

キャスト表のあらすじがやけにくわしくて、登場人物名のあとに役者の名前入りだった。
「風俗嬢アンナ~久保田の初めての女」のところが(柄谷以外全員)となっていて、これなに?と思っていたら本当に全員で迫っていた。この舞台で笑いが起きたのはここと葛西と久保田の会話だけ。

★田渕法明(飯塚翔太・大久保詩織)
今回一番演技がうまいと感じた。それだけ場数を踏んでいるとも思う。
このあとの公演も多数決まっていて、いままでのアクサルにいないタイプ。
少年は少年らしく、女性は女性らしく声もしぐさも変わってた。
椅子に座っているときも手を重ねていたのが印象的。
彼の衣装が一番うまくできていた。
ブログ更新もがんばっている田渕くん。確実にファンは増えていると思う。

★山本健史(葛西・志村健)
罰ゲーム王の山本さんは、それでも頼れるあんちゃんをやらせたら絶品だ。
新人刑事との息もぴったりで、「無茶すんなよ、マコト、時坊・・・」というところはいいお父さん。
病院で中絶手術を待つ詩織に付き添う葛西も温かくてよかった。
気弱なサラリーマンもなかなか・・・

★松木賢三(滝沢亮二・真田)
ひげの真田は貫禄だった。原作にあったガムの口移しをやって欲しかったかも・・
松木さんで注目したのは小宮の母親役。あの姿で違和感がなかったのはさすが。

★田倉信紘(三ツ橋佳代)
どういうことになるのかと思った女性役。思ってたほどおかしくなかった。
カリスマの教祖としてはあの体の大きさはプラスだったかも。
とはいえあの声で女言葉・・・謎の呼び声「ミノル」を聞いたときクリキャロの「スクルージ」を思い出してしまった。
時任のシャツを引き裂くシーンでアフロ13のタイソン大屋さんが朧に迫るシーンを思い出した。
背のバランスが似ていたせいか・・

★熊渕卓(新木)
新人らしくういういしくて元気でよかった。
加藤さんと組んでのダンス(いちゃいちゃ?)はどの組よりしっくりきていたと娘の弁。

★加藤巨樹(鵠・関谷純)
鵠のしゃべり方が「沖田総司」みたいだった。
オカマの関谷のほうが当たり役か?
柄谷(久保田)と並ぶシーンでの不敵な笑みを見てやっぱりこの人は裏エースだと思った。
アクサルの「白い良心」ではなく影でこそ光るタイプ。
でも正直出演者で一番ほめるところが少なかったかも。

サポートの二人もせりふはなかったけどがんばってた。
アクサルも新人がどんどん増えて欲しい。


※公式ブログで吉谷さんが今回の公演は「抽象画」だと言ってた。
  わかりにくいのは承知で仕掛けた舞台だったらしい。

千秋楽でアンコールは二度。
そのどちらも静かに頭を下げるだけだった。わずかに大河くんが手を振り、田倉さんが手をあげたのみ。
これも吉谷演出かと思ったけど、どうやら完全燃焼したあとで動けなかったということのよう。
余韻を残したままの終了だった。

アクサルのファンは、大河元気くんのファンはこの舞台をどう見たのだろう?

私は・・・・少なくとも東京への熱は冷めてしまった。

普通の劇でまた会いたい・・・




劇の中味とは関係ないけど、詩織と時任が関谷の部下に痛めつけられてるシーン。
アクサルメンバー(サポート含む)がやたら楽しそうで
悪役のほうが板についている(笑)
大河元気・田渕法明という美少年ふたりをいたぶる悪魔に見えた・・・


追記・・

最後に時任が久保田に怒鳴るシーン。BGMもなく他のメンバーも横たわって二人だけが立っている。

 「俺がいるって言え」

 「うん・・・なんか・・いるみたい」

二人の手が触れ、やがて繋がれる

この場面の「いる」は存在しているの意味だと思った
俺のことを見ない振りするなというような。
でも原作を読むとこれは『要る』だった。




関連記事
この記事のURL | 映画・舞台 | CM(4) | TB(0) | ▲ top
<<晋作 蒼き烈日  秋山香乃 | メイン | 沖田総司~六月は真紅のバラ 三好徹>>
コメント
-  -
アクサルのWild Adapterの感想をトラックバックさせていただきます。
アクサル初観劇でしたから、普段の公演との違いはわからなくて、、、。
見当違いの感想かもしれません。
2008/05/02 09:12  | URL | seiya #-[ 編集]
- 管理人のみ閲覧できます -
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/03/11 22:34  | | #[ 編集]
-  -
華崎さん>
コメントありがとうごいざいます。
東京に行かれるんですね。
大阪でも進化していたのできっともっと驚かせてくれると思います。

時間が経ってみるとすごい舞台を見たなあと思います。
ほんとうに全力でがんばってましたもん。

大河くんファンのブログで「大河君が出てなくてもアクサルを見たい」と書かれているのをみて、とても嬉しかったです。

まだ東京も残っているのになんですが、早く次の彼らを見たいと思います。
2008/03/11 19:57  | URL | なつ #-[ 編集]
-  -
こちらでは初めまして!

何というか…素人考えですが、アクサルって、ちぐはぐな集団だと思うんです。
運営のまずさ(あわわ)、手際の悪さに対して、外部の優秀なスタッフを呼べるコネクションと資金力。
漫画原作で集客しているのに、一部のファンからは、「いつまで漫画原作をやっているのだ、オリジナルをやれ」と言われる…。
そんな中で色々と模索しているのかな、と思いました。
私はアクサルはまだ先の長い集団だと思っているので(希望込みですが・汗)、その中の一つとして、こんな試みがあってもいいのではないかな、と思いました。
二回目に観たときは、単純に、これって、面白い!と思ったのですけど…。役者の生身の魅力を楽しめるというか。

一方で、期待されているものを出さないというのは、客に対する裏切りでもあるんじゃないかな、ということも考えました。

あ、柄谷さんの下の名前は「吾」史ですよ♪
私も今回、柄谷さんはまさしく「エース」で加藤さんは「裏エース」だなあと感心しながら観ていました。

「中絶」だったんですね…思いもつきませんでした(汗)人を殺したって、どういうこと?って思ってました(汗)(汗)

>どうやら完全燃焼したあとで動けなかったということのよう。

私も、そうなのかな?とも思ってました。
オープニング直後に話し出す加藤さん、めちゃくちゃ苦しそう…。

私は一回目観たときは「要る」と「居る」どっちだろう?と思ったんですが、二回目で「居る」だな、と思ってました。
原作では「要る」だったんですね…。
じゃあ、吉谷さんの意図は、きっと、ダブルミーニングですね。

なつさんが書かれていて私が見逃しているところもたくさんあるので、東京ではしっかりチェックしたいと思います。
2008/03/10 23:38  | URL | 華崎 #rW9OjHYk[ 編集]
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://naturalreload.blog77.fc2.com/tb.php/113-5cd9561c

| メイン |